リスティング広告運用をメインに仕事をしておりますが、WEBコンサルタントとして企業に入り込んで施策を考えることが増えてきました。
その際に広告と同じくらい議題となりますのが、SEO(自然検索)ではないでしょうか。
SEOは中小企業でも勝てるため、私としても対策をお勧めしております。
でも、そんなに簡単にSEOって順位対策できるのか?という疑問が当然発生すると思いますので、今、ご覧いただいておりますサイトでSEO対策(コンテンツマーケティング)をした実績・実例を皆さんにお話しできればと思っています。
また表題にもありますとおり、SEO順位の付け替えも実験しましたので、そちらも完全公開します。(大変興味深い順位推移となっていると思います。なかなかSEOの順位を落とす施策を実施することは無いかなと思います。)
Aページが「〇×」というキーワードでSEO5位の際に、キーワード評価をそのまま別に用意したBページにうつせるか(SEO順位の付け替え)といったものになります。詳しくは本文をご覧ください。
お金をかけないSEO順位対策ならコンテンツマーケティング
中小企業がSEOを行うにおいて、できるだけお金をかけたくない!というのが正直なところかと思います。その場合、コンテンツの力でGoogleに評価してもらう形となるかと思います。
つまり記事を書くといった形となりますが、それでは記事を書いたとして、自然検索の順位(SEO)がどんな感じ上がるのかが気になると思います。とくにお金をかけないという道を選ぶ場合、外注ではなく自分(社内)で執筆することになりますので、どのように評価されるかを知ったうえでスタートされるのが良いかと考えております。
人によっては、SEOは1年かかるといいますし、結構すぐ上がったよという声もあります。時間をかけて執筆するのですから、出来るだけ意味のあるようにしたいですし、また評価されていない記事であれば、早めに手直し(リテイク)の作業をしていきたいところです。
「リスティング広告 外注」でSEO順位1位
以下のリンク記事は、「リスティング広告 外注」で狙ってSEO順位1位を取るために書いた記事です。
私の執筆記事となりますし、外部リンクの購入なども一切ありません。Googleのコンテンツ評価のみに頼っていますが、SEO順位1位が取れています。
少し長めの記事ではありますが、リスティング広告運用の代理店である弊社とマッチングした記事となっていると思います。
記事の執筆についても、自分自身で書いているため、お金は一切かかっておりません。
自分の事業と関連ある記事をしっかり書いていくことが重要です。
あとはキーワード選定や、タイトルの付け方などのコツを身につければ、SEO上位はどんな企業でも狙えます。お金についても最低限の出費で済みます。
記事をひたすら量産すればいいかというのは違います。完全に外注もお勧めいたしません。記事の外注でも問題ありませんが、必ず『社内で出来るだけ手直しする』ことを絶対条件とするべきと思います。
SEO対策は、お金の代わりに時間を投資するものとご理解ください。私のようなWEBコンサルはその最短距離を進ませるための道しるべ的な存在だと思っています。
「リスティング広告 外注」のSEO順位推移
以下が該当記事の順位の推移となります。
記事は公開して終わりではありません。SEO順位を見ながら都度都度の修正が必須となります。この記事の手直しのタイミングも記載しましたので参考になればとおもいます。
・2018/12/23 記事初公開
⇒2018/12/24 手直し
・2018/12/26 SEO50位でランクイン(初)
・2018/12/30 SEO20位までランクアップ
⇒2019/1/10 手直し
・2019/1/10 SEO9位まで上がるも、1日だけ。
・2019/1/21 SEO5位まで再浮上
・2019/2/13 SEO1位を初めて取得
・2019/3/3 安定的にSEO1位に
⇒2019/5/10 手直し
・2019/9/19 SEO2位に後退
⇒2019/10/2 手直し
⇒2019/10/3 手直し
・2019/10/27 SEO1位に再浮上
うまくいったパターンですと、このようなSEO順位の推移になります。
SEOは一瞬で上がるものではなく、じわじわと上がったり、突然順位がUPするものです。
アップした後も、順位などを見ながら手直しする必要性はありますが、狙ったキーワードでSEO上位が取れますと安定した集客が期待できます。
他社商材(サービス)、商標でのSEO順位対策はできるかどうか
他社商材の販売やサービス提供している会社様ですと、他社商材の商標でもSEO上位を取りたいというケースがあるかと思います。
そこで、紹介記事を書き、他社サービスのSEO上位を狙ってみました
事例①「SEO検定」 SEO順位5位
まずはSEOということで、SEO検定さんです。SEOではもっとも有名な資格でしょう。2級を受験して合格した後にすぐ書いた記事です。
2ヵ月くらいでSEO4~5位を安定して取得できるようになりました。 SEO検定2級のキーワードですとSEO3位を取れています。
SEO検定記事のSEO順位推移
・2019/5/14 記事公開
⇒2019/5/15 手直し
・2019/5/16 SEO22位でランクイン(初)
⇒2019/5/17 手直し
・2019/5/20 SEO16位までランクアップ(でも、すぐ落ちる)
⇒2019/5/29 手直し
⇒2019/5/30 手直し
・2019/6/19 SEO10位
・2019/7/16 SEO4~6位を安定して推移するように
⇒2019/8/16 手直し
⇒2019/9/10 手直し
⇒2019/9/12 手直し
手直しは更新履歴を抜粋したものになりますので、SEOに関係ない修正も含みます。この記事はSEOが安定するまで2か月半くらいかかりました。
肌感でいいますと、SEO上位に上がるためには3ヵ月後を目安にしておくと良いと思います。
この記事はSEOにマイナス要素の一つであるのではないかと推測されているアフィリエイトリンクも含まれておりますが、そこまで負担になることもなく上位にあがることができました。
尚、記事をアップした後の手直しですが、一晩明けてから修正を施すのがお勧めです。法務・リスク管理が厳しい会社様ですと毎回審査が必要となったりするため面倒な作業になるかなとは思いますが、少し時間を空けてから直すことで、誤字や読みやすさのための修正など改善すべきポイントが見つけやすくなります。
事例②「フォームラン」SEO順位6位/「formrun」SEO順位7位
続いて、お問い合わせフォームのフォームランさんの記事です。弊社でも使っている、とても使いやすいお問い合わせフォームです。
無料で使えるお問い合わせフォームとして大変優秀なのですが、無料版だとアナリティクスをフォームに入れることができません。よってアクセス解析のセッションが切れてしまい、コンバージョン(成果)測定の参照元が取れないというケースが発生します。そんなユーザーのために、測定を正確にとるためのガイド記事を書きました。
フォームラン記事のSEO順位推移
英語名のサービスですと、アルファベットとカタカナの対策を別々に実施する必要性があります。カタカナは上手く上位が取れましたが、アルファベット名ではゆっくりとした推移となりました。
同じ商標名でも、英語とカタカナだけで大きく順位推移が変わることが見て取れるかと思います。Googleは優秀なため親和性の高いサイトを自動的に呼び込んでくれますが、基本的に商材の名前で英語とカタカナがある場合、両方を別々に対策する必要があります。
あくまで経験上のものではありますが、カタカナの方が難易度が低めなイメージがあります。
【フォームラン 順位推移】
【formrun 順位推移】
上記の2つの事例を見てもらった通りですが、他社商材(サービス)、商標名であっても、SEO上位を狙うことができることが分かるかと思います。あとは、どうやって狙うのかが鍵となります。
狙いたいキーワードでの競合調査を実施
狙うべきキーワードが見つかったら、次に行うのが競合調査です。
リアルな営業での競合がどのようにWEBで集客をやっているかの調査ももちろん必須ですが、今回の場合は、狙ったキーワードでSEO10位以内、1ページ目に入っているサイトが競合となります。
全部のページに目を通し、何を書いているのか、なぜ上位表示できているかを調べます。
そうしますと、記事ごとの類似性が見えてくると思います。その類似性を踏まえた上で、それよりも良い記事を作るにはどうすればいいのかを考えることが重要です。
ここら辺はテクニックだったり、経験に当たる部分になります。慣れてきますと、上位10位以内のサイトを見るだけでそのキーワードの難易度、必要なコンテンツが見えてくるようになるかと思います。
場合によっては、「このキーワードでの上位表示は難しい。」と判断することもありますし、サイト全体の品質を上げることで、総合値でSEO上位を狙うことも有ります。ビックワードを狙うときはサイト全体の品質力を考えます。残念ながらビックワードのSEOは、一個の記事のコンテンツパワーだけでは、厳しい場合が多いです。こちらは長期的に戦略をもって、少しずつ上げていくというイメージです。根気がかなり必要な作業となります。
【本題】SEO順位の付け替えが可能かどうか
ここから本題となります。SEOの記事の順位の付け替えの実験となります。
実験前、「リスティング広告 フリーランス」というキーワードでSEO2~5位を弊社のリスティング広告運用サービス紹介ページで取っておりました。このコンテンツは最初からある程度の順位を取れており、また、SEO3位を長期間取れていました。
しかし、BtoBを専門にしていきたいという私の動き方と、フリーランスの仕事の仕方という点でズレを感じてきたため、「リスティング広告 フリーランス」の対策を取りやめることにしたのです。
(以下記事からフリーランス系のキーワードを一掃しSEO順位を下げました)
SEOの順位を落とすという施策をしたわけですが、検索ボリュームが多少はあるキーワードのため、ただ順位を落とすだけではもったいなく感じます。そのため、弊社サイトの別記事を手直しして、「リスティング広告 フリーランス」で上位を取れるように修正を施しました。
上記ページは、「リスティング広告 案件」でSEO1位~2位を既にとっていた記事となります。 今まで書いた記事の中で最も親和性が高いと感じたため、こちらの記事にSEO順位をスライドさせる実験を行いました。
ある程度、品質が高いとGoogleに評価されている記事は、複数のキーワードでSEO1位~上位を狙うことができます。※もちろん、詰め込みすぎると順位が下がることがありますので、注意は必要です。
狙ったページで「リスティング広告 フリーランス」SEO順位4位 「リスティング フリーランス」SEO順位3位を獲得
9月の中盤にページ順位の付け替えをすべく、一方のページではSEO対策を取りやめ、一方のページでは対策を行うという施策を実施しました。
以下は順位チェックを始めたときからのグラフになります。グラフ右側のへこんでいる部分をご覧ください。(真ん中の順位落下は今回は関係ありません)
【リスティング広告 フリーランス 順位推移】/執筆時SEO4位
【リスティング フリーランス 順位推移】/執筆時SEO3位
ほとんど同じようなキーワードですので、似たようなグラフとなっております。(多少の差異が出るところが面白いところですね)
9月中盤にSEO対策を外しました。外した後もSEOは急降下することはなく、少しずつ下がっていきました。
10月上旬に急落下。2週間は持ちましたが、ついにGoogleにキーワード対策を外したことがバレてしまいました。
こちらの期間については、GoogleBotがどれだけ来ているかによるかと思いますので、アクセス数の多いサイトであればもっとより早く動く可能性もあります。
注目すべき点は、10/7~10/9で順位落下が停止した時です。
この時、対策を外したページがSEO15位、対策を新たにしたページがSEO16位と横並びで掲載されていました。
たまにSEO1位・2位が同じサイトであることもありますが、そういった上位でなくても横並びになることがあるようです。ここは新しい発見でした。
10/21までその順位が推移したあと、10/22に対策をしたページが急に順位を上げはじめ、11/9現在SEO4位まで上がりました。
まだSEOの順位が確定しておらず、日によってはSEO2位になっているときもあり、まだ順位推移のチェックが必要と思います。しかし、推移的にSEO2~5位で安定できると思われます。
結果として、別ページへのSEO順位の付け替えは可能という結論となりました。
対策した該当ページも他SEOの評価が下がったりはしていませんでしたので、今回は狙い通りに事が進んだなあという感想です。
※追記/11月19日現在、「リスティング広告 フリーランス」のキーワードでSEO順位2位もしくは3位を獲得するようになりました。
コンテンツマーケティング・SEO対策まとめ
コンテンツマーケティングの実例をもとに、GoogleのSEO順位推移や実験を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
意外とSEOって対策できるんだな、記事を書くだけならやってみよう!と思っていただければ幸いです。
途中でも記載しましたが、コンテンツマーケティングはお金の代わりに時間を投資するものと考えていただければと思います。
記事の外注だとどうですか?という質問があるかと思いますが、『コンテンツ記事は外注でも大丈夫、ただし手直しは必須』という答えです。
実際に、外注記事のみでオウンドメディアのようなサイトを作った際に、重要なキーワードでSEO上位は取れています。ただ、納品された記事をそのままUPして、SEO上がる!というほど気軽なものでもないこともご理解ください。
タイトルの付け方も、競合の調査、基本的なSEO内部施策も必要ですし、定期的な記事の見直し、そして順位のチェックツールを使った定期観察もすべきでしょう。
私は仕事柄、BtoB企業様のアクセス解析ツール(アナリティクス)などを見させていただきますが、残念ながら中小企業だとあまり集客がされていないケースが殆どです。
場合によっては、自社の商標ですら、SEOが取れていないケースも散見されます。
また、社名と自社のブランド名でしか流入が無いことも良くあります。この場合、WEBからのお問い合わせは限定的なものとなってしまいます。WEBから月1件くらいの問い合わせしかこないというケースの場合は、完全にWEB集客がどこかで失敗しているとみて良いでしょう。
リスティング広告もSEO対策も、WEBからお問い合わせを獲得するためにはどちらも重要です。
WEBからの集客というとなんだか派手なイメージがありますが、実際は地道に泥臭い仕事をこなしていくことが必須です。とくに予算をあまりかけられない中小企業の場合は、正しい戦略をもって、コンテンツを作る、そこに時間を投資してください。
きっとWEBは労力に答えてくれるはずです。
【余談】でもオウンドメディアはお勧めしない
SEO順位対策はやったほうがいいですが、ではオウンドメディアをやるべきかといいますと私はお勧めできないという結論です。
オウンドメディアを成功するためには、専任の担当者が複数名必要です。また早々に成果が上がるわけではないので、かなりの長期間の辛抱が必要です。
残念ながら中小企業であれば、そのような余裕はない、というのが現実でしょう。
専任の担当者1人ですら置くのは難しいというのが現実だと思います。
メディア事業という事業モデルを検討しているのでない限りは、オウンドメディアはやらなくていいでしょう。
そんな中、一般の中小企業でのSEO順位対策でお勧めしますのは、売りたい商品のサービスサイトにコンテンツを追加していくという手法です。
オウンドメディアは定期的な更新、そして量が必須となります。100記事書いても、ようやくスタート地点に立てたかな、というレベルです。
月間100記事追加するサイトも珍しくは有りません。メディアという分野で戦うには、WEBの正確な戦略と、記事追加体制、アクセス分析とリテイク作業、リスク管理など作業も人員も多く必要です。
サービスサイトのコンテンツSEOであれば、明確なゴールが対象サービスのお問い合わせになるため、狙いたい対策キーワードはそこまで多くないことに気づくかと思います。
あとはそのキーワードに対して的確な記事コンテンツを追加することで対応できます。
その場合、100記事も必要なく、場合によっては10記事で十分といった状況になります。あとはどう戦略をたて、何のキーワードを狙い、定期的にリテイク作業を実施するのかを決めればOKです。
何のためにコンテンツSEOをやるのかを考えて、無理のないレベルでSEO対策いただければと思っております。